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春、春詐欺、寒さに油断するな
世人が建てた白い巨塔。「医術屋」がここまで肥大したのは「文明由来の大衆心理からの必然」。
貧者というのは、とかく犠牲を強いられるのが世の常。ならば貧しているものこそ、その言を鍛えねばならない。
人ごみ、あるいはその電磁的変態であるSNS――集合体恐怖症にも似た嫌悪を感じる、その麻疹(のごときもの)。
ここは奈落。穢れの大通りだというのに、綺麗事ばかりが肩で風切るものだから、おさまりがわるい。
人は遍く官僚的構造、つまりピラミッド型、カーストマインドへと収斂、自己組織化される――
凡庶は経験に学び、知者は解釈に学ぶ――「牛飲水成乳、蛇飲水成毒」、その転轍機は解釈にある。
「動画」全盛の今、問うてみる「言葉」の意義。行き過ぎた「知覚表象」の弊害、人の生の醍醐味かもしれない「想像表象」。
〈メディアボロス(mediabolos)〉――メディア(media、媒体)とディアボロス(diabolos、悪魔)を合わせた造語。
この期に及んで「空気」「人気」に耽溺する日本人。もうカタストロフィ(悲劇的な破局、大変災)しかないのか。
生存はもはや自由主義的に推奨されるトレンドになり果てたのか。文明人の生命はそこまで痩せ衰えている。
「心の危機」の時代。根本に立ち返り「心の在り処」をダンゴムシ!?に訊ねてみよう。
2023年最後の記事。
【ピックアップ記事】
【商医工農】 「技術屋」とならび「健康」を売りにした「医術屋」がここまで肥大したについては、文明的必然というより「文明由来の大衆心理からの必然」と迂回して言い回さねばなるまい。
【貧すれば論ずる】 貧すれば、声が小さくなりがちだ。これがいけない。貧者というのは、とかく犠牲を強いられるのが世の常。ならば貧しているものこそ、その言を鍛えねばならない。
【フェイクタイガー】 人ごみ、あるいはその電磁的変態であるSNS――集合体恐怖症にも似た嫌悪を感じる、その麻疹(のごときもの)。フェイクタイガーの使用期限は、もうとっくに切れている。
【カーストマインド】 公園のママ友関係から神話にいたるまで、人は遍く官僚的構造、つまりピラミッド型、〈カーストマインド〉へと収斂、自己組織化されるのだが――〈カーストマインド〉そのメカニズムと内実。
【靜心】 凡庶は経験に学び、知者は解釈に学ぶ――「牛飲水成乳、蛇飲水成毒」、水が乳と毒という反意的な二つのものに分かれる、その転轍機は〈解釈〉にある。外化と内化の旅路を論じる。
【動画ばなれ】 「動画」全盛の今、問うてみる「言葉」の意義。行過ぎた「知覚表象」の弊害、人の生の醍醐味かもしれない「想像表象」。
【メディアボロス】 〈メディアボロス(mediabolos)〉とは、メディア(media、媒体)とディアボロス(diabolos、悪魔)を合わせた造語。〈メディアボロス〉に欺かれないために――
【日本、異次元の凋落】 戦後日本、いよいよ異次元の凋落に突入か。この期に及んで「空気」「人気」に耽溺する日本人。もうカタストロフィ(悲劇的な破局、大変災)しかないのか。
【ポルノクラシー2.0】 現代は「大ポルノ時代」である――この仮説のために「ポルノクラシー2.0」という造語を用いよう。「神経症としてのポルノ」、「恐れのポルノ」――「ポルノ」は今やクライシスに達している。
【仕合せの刻】 「ミッドライフ・クライシス」とは「幸せ」から「仕合せ」への転機の時機であり、それを促す危機でもある。「侘(わび)」の次元への知的移行期ともいえる。
【虚飾症】 ふつうに言えよ――そう言いたくなる気持ちをぐっと抑えつつ、失笑を禁じえない「(うざい)ビジネス用語」について論じる。その深層にあるのは、技術主義を舞台とする「模倣」とある種の「堕落」である。
【AIにみる人間の知の自画像】 機械の進化と人間の生的な頽化。萎縮する知性。AIは文明の冬の集合的無意識が孕んだ「冬の申し子」か。
【知の孤独】 知性は歴史的には加法性をみる反面、「孤独」といわざるをえない非加法性を併せ持つ。孤独を知らぬものは知性の本意を知らぬといっても過言ではない。
【病葉】 頭から腐る魚、言葉から腐る人間――血液が身体の状態の多くを語るように、言葉は精神の状態の多くを語る。ネットのスラングをはじめとする革新的言語の瀰漫が、いかに世間を低劣なものへと頽廃させるか。
【知性の骨格】 知性の危機の時代――瀰漫する「知的失調症」を、人の知性を骨格に喩え、論じてみる。
【スピリチュアルの不都合な話】 スピリチュアル――端的に言えば、この世ならざるものによる(読解力の衰えた)現代人に向けたインスタントな悩み解決論か。
【認識村】 人はさまざまな理由でグルになる。仲間、組織、党派、階級、等。これらの本質は「認識」である。人はめいめい「認識」の「村」で一生を過ごすことになる。
【モノゴトノ見カタ】 無限の視座からの絶え間ない選択が世俗の人間の生の作業であるといって過言ではない。にもかかわらず、世間一般の「モノゴトノ見カタ」のなんと横着なことか。
【閑言】 くしゃみをがまんしたり、便意を抑えたりするのは身体によくないように、愚痴や文句も無理して抑えないほうがいい。
【脱結論】 「結論はあれか、これか」――誰も彼も黒白をつけたがる。だからどっちつかずで右往左往することになる。老子をヒントに、人の思考の悪いクセについて考える。
【文化的知性と鬱】 「無限」という無秩序と無規範の「鬱」からの脱却――「時効(熟成)の証明」を得た妥当性。持続可能な価値の基準。それを「文化的(cultural)なるもの」とよぼう。
【進む言語破壊】 破壊は自然環境や社会環境のみならず「言葉」にもおよんでいる。「言葉」というものの意義を考えれば、言葉の蹂躙と破壊が他の破壊の根本的原因になっているのかもしれない。
【フィジカルセンス】 「効率」は「さらなる高効率」を追い求め、「感情」が涵養される時間も空間も「効率」の名のもとに切り捨てた。その結果、人は「フィジカルセンス」を萎縮させ退屈に陥る。
【群衆心理と群衆の運命】 ギュスターヴ・ル・ボンの名著『群衆心理』を参考にしながら、「群衆」の変えがたい性質と、そこからの運命を論じる。
【感じる知性】 ブルース・リーの名台詞「考えるな、感じろ!」にはつづきがある。「月を指差すのと似たようなものだ。指に集中するんじゃない」――「感じる知性」についての考察。
【秋影、その心】 「秋を愛する」という観念には「侘(わび)・寂(さび)」という裏の観念があるのではないか。つまり物事をより高次な視座で受け入れ、総合するという観念が。